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北海道拓殖鉄道の乗車券類 - 新得(しんとく)駅

印刷所の違いによって2種類に分類できる

北海道拓殖鉄道の硬券は、国鉄の札幌印刷場に委託して調製されたものと、北海道交通印刷で調製されたものがある。国鉄調製券は「こくてつ地紋」、北海道交通印刷調製券は「HPRしてつ地紋」と地紋が異なる。(画像をクリックすると拡大して表示します。)

国鉄北海道交通印刷

国鉄の板紙は、当時国鉄の乗車券類に使われていた板紙と異なり、表面が白いものが用いられ、全体的に明るい特徴がある。

一方で北海道交通印刷の板紙は、国鉄券に比べて柔らかい特徴があり、活字の食い込みにより、表面が多少凸凹していることも多い。

北海道で印刷された硬券に見られる特徴として、小児断線に切れ目があることが両者に共通している。

A型の準常備式乗車券

自社線内のA型準常備式乗車券(準片)もありました。同じく、国鉄調製券と北海道交通印刷調製券です。

国鉄北海道交通印刷

北海道拓殖鉄道の休廃止について、wikipediaの記載を参考にすると下記となる。

昭和24年8月31日東瓜幕〜上士幌 運行停止
昭和40年12月20日 瓜幕〜東瓜幕休止
昭和42年10月1日瓜幕〜東瓜幕廃止
昭和43年2月10日屈足〜瓜幕休止
昭和43年10月1日新得〜瓜幕廃止

このため、中瓜幕が着駅から消えて3段となった、右の北海道交通印刷調製券については、瓜幕〜東瓜幕が廃止された昭和42年10月1日以降に調製された券の可能性がある。

この準片1口座とあわせて、下記のB型一般式8口座で、新得からの全駅までを発売していたことが分かる。ターミナル駅として常備券の設備は多かった。


※上記の準片と発行時期が異なる券があるため、あくまで参考としてご覧ください。

有効期間とA型 or B型の使い分け

次の2枚はいずれも新得→鹿追の自社線内片道乗車券ですが、B型ではなく、A型で印刷されていた硬券もありました。

国鉄調製券はB型と異なり、A型の表面は白くなく、当時国鉄の乗車券類に使われていた板紙と同じもので調製されたものと思われます。

A型 - 国鉄
2日間有効
(〜昭和41年3月?)
B型 - 北海道交通印刷
当日限り有効
(昭和41年3月?〜)

A型とB型の使い分けについては、片道の一般式乗車券の場合、有効期間が当日限りとなる乗車券をB型、2日間以上有効となる乗車券をA型で調製することを原則としていたようです。

国鉄では昭和41年3月から、これまで「20kmまで」当日限りとしていた有効期間を、「30kmまで」当日限り有効に改定しています。北海道拓殖鉄道でも国鉄の旅客営業制度を踏襲していたと考えると、新得〜鹿追21.0kmについては、昭和41年3月?を境に2日間有効のA型券と当日限り有効のB型券が混在して残っていることが説明できます。

ただし、これらの原則論、A型とB型の使い分けについては、合致しない例も散見されます。

このページに掲載されている硬券はすべて、北海道拓殖鉄道★硬券62枚セットに含まれます。

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